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プロが教える配管工事の正しいやり方とコツ

名古屋での配管工事は、新築やリフォーム、修繕などさまざまな場面で欠かせない重要な作業です。
暮らしに欠かせない水道やガス、排水システムは正確な施工と信頼できる仕上がりが求められます。また、名古屋ならではの気候や住宅事情に合わせた工夫が施工のポイントとなります。

本記事ではプロの目線で名古屋の地域特性を踏まえた配管工事のコツや正しい進め方をご紹介します。

名古屋エリアの特性を考慮した配管設計

名古屋の冬は冷え込む日が多く、特に外部に露出した配管は凍結のリスクがあります。水道管が凍結すると水の流れが止まるだけでなく、内部で氷が膨張して配管が破裂することもあります。これを防ぐため、以下の対策が推奨されます。

断熱材の設置

配管全体に断熱材を巻き付けることで外気からの冷気を遮断し、配管内の温度低下を防ぎます。

  • 使用する断熱材:ウレタンフォームやガラス繊維を使ったチューブ状の断熱材が一般的です。施工後も水漏れなどで劣化しないよう、防水性のあるものを選びます。
  • 設置方法:断熱材を隙間なく巻き接合部はテープでしっかり固定します。特に寒さが厳しい場所では、断熱材を二重にすることで保温効果が高まります。

 凍結防止ヒーターの使用

極寒の日には断熱材だけでは凍結を防げない場合があります。そのため、凍結防止ヒーターの導入も有効です。これは電気を使って配管を温める仕組みで、外気温が一定以下になると自動で作動します。

  • 種類:温度センサー付きで自動制御ができるタイプが便利です。
  • 設置箇所:外壁に設置された水道管や、屋外にある給湯器への配管部分に多く使用されます。
  • 使用時の注意点:通電するため、電源が確保されているか事前に確認し、長期間使用しないときは電源をオフにするよう管理します。

湿気対策:梅雨や夏の湿気から配管を守る方法

名古屋は梅雨や夏の高湿度も特徴の一つです。配管周辺に湿気が溜まると結露やカビの発生、金属管の錆びが進行する恐れがあります。これにより、配管の劣化が早まり水漏れなどのトラブルを引き起こす可能性があります。

配管周りの結露防止

冷水管に冷たい水が流れると夏場に温かい空気との温度差で結露が発生しやすくなります。これを防ぐため、以下の方法を活用します。

  • 断熱材の使用:冷水管にも断熱材を巻き付け、温度差を減らすことで結露を抑制します。
  • 防結露テープ:結露が特に発生しやすい部分には、配管専用の防結露テープを巻き付けることで効果を高めます。

換気システムの導入

湿気を効果的に排出するため、適切な換気システムを導入することが推奨されます。特に屋内や床下に設置される配管部分では、湿気が溜まりやすいため注意が必要です。

  • 自然換気:床下や配管スペースに通気口を設置し、風の通り道を確保します。
  • 機械換気:湿気がこもりやすい場合、換気扇を設置することで強制的に空気を循環させます。浴室やキッチンの配管スペースでは、24時間換気扇の活用が効果的です。

湿気センサーの活用

近年では湿気が一定以上になるとアラームを出す湿気センサーも登場しており、床下や壁内に設置することで早期発見が可能です。これにより、見えない場所での結露やカビを未然に防ぎます。

地震対策の重要性

名古屋は地震のリスクがあるため、配管工事では耐震性を十分に考慮する必要があります。地震の揺れによって配管が破損すると、水漏れやガス漏れといった深刻なトラブルを引き起こす可能性があるため以下の対策が重要です。

可とう管の使用

可とう管とは柔軟性を持った配管素材のことで、地震の揺れや建物の歪みにも対応できるよう設計されています。これにより、管が硬直して破損するリスクを軽減します。特にガス配管では、配管の継ぎ目部分での可とう管の採用が推奨されています。

  • 特徴:金属と樹脂の複合素材でできたものが多く、強度と柔軟性を兼ね備えています。
  • 用途:屋外や基礎部分の配管、給水・給湯管、ガス管などに使用されます。

耐震継手の導入

耐震継手は、配管同士をつなぐ部分に取り付ける特殊な部品です。地震の衝撃を吸収し配管のずれや破断を防ぐ役割を果たします。耐震継手は給水管、ガス管、排水管に広く使用され、特に震度6以上の揺れでも接続を維持することを目的としています。

  • 効果:管のズレや割れを防ぎ、水漏れ・ガス漏れを抑制します。
  • 設置箇所:住宅の基礎部や外壁周り、地中配管など揺れやすい部分に多く取り付けられます。

配管の固定具の取り付け

地震時に配管が外れないようにしっかりとした固定具を使い、確実に取り付けることも重要です。

  • 固定金具の種類:壁面固定ブラケットや吊り金具など、配管の種類や設置場所に応じて使い分けます。
  • 設置方法:壁や天井にしっかりとアンカーを取り付け、振動による配管のずれを防ぎます。金具の緩みが生じないよう、取り付け後も定期的に点検が必要です。

地震後の点検を見越した設計

耐震性を高めた配管であっても、地震発生後の速やかな点検と修理が求められます。そのため、配管の取り回しをシンプルにすることで万が一の点検や修理が容易になるように設計することも重要です。

名古屋での地震対策を強化する工夫

名古屋市は地震に備えた取り組みを進めており、施工業者も地域特性に合った耐震配管技術を積極的に導入しています。

施工を依頼する際には、業者が耐震基準に沿った工事を行っているかを確認することも大切です。

こうした地震対策を盛り込んだ配管工事を行うことで、長く安全に暮らせる住環境が整います。特に名古屋のように都市機能が密集した地域では、配管の破損が大規模な被害をもたらす可能性もあるため事前の施工が非常に重要です。

配管工事の基本手順

事前調査と計画の立案

名古屋では水道局やガス会社の許認可が必要な場合があり事前調査が不可欠です。また、以下の点を確認することが推奨されます。

  • 埋設物の調査:名古屋市の道路下には既存の水道・ガス管が多く埋まっているため、事前に自治体のシステムで位置を確認します。
  • 最適な配管ルートの選定:建物のレイアウトに基づき、最短かつ安全な配管経路を決めます。

使用する材料の準備

材料選びは工事の成功を左右します。名古屋の環境に適した素材を選ぶことが大切です。

  • 塩ビ管:一般的な給水配管に適した安価で扱いやすい素材。
  • 銅管:給湯配管に使用され、耐久性が高い。
  • ポリエチレン管:柔軟性があり、地中配管や耐寒性が求められる場所に向いています。

給水設備工事

勾配の調整

名古屋の平坦な地形では、排水管の勾配調整が特に重要です。適切な勾配がないと逆流や詰まりの原因になります。

  • 排水管の勾配:1mあたり1〜2cmの傾斜(1/100〜1/50の勾配)を確保します。

断熱材の使用

冬場の凍結を防ぐため、屋外の配管には必ず断熱材を巻き付けます。また、マンションなどでは防音材も使用し生活音の軽減を図ります。

雨水配管の工夫

名古屋では、夏にゲリラ豪雨が発生することが多いため、雨水配管の設置には十分な直径を確保し勾配も調整します。雨水浸透桝の導入で排水を効率化することも有効です。

トラブル防止のための定期点検とメンテナンス

定期点検の重要性

配管は一度施工すると目に見えない部分に隠れてしまうため、定期点検が欠かせません。早期にトラブルを発見するためのチェックポイントを紹介します:

  • 水道メーターの確認:使用していないのにメーターが回っている場合、水漏れの可能性があります。
  • 排水の流れの確認:流れが悪くなる前に清掃を行い、詰まりを防ぎます。
  • 接続部のチェック:配管の継ぎ目が劣化していないか定期的に点検します。

名古屋市のサポート窓口の活用

名古屋市では、水道やガス配管に関する相談窓口を設置しています。不具合が発生した際は、早急に専門家に連絡し適切な対応を行いましょう。

信頼できる配管業者の選び方

業者選定のポイント

配管工事は専門性が高いため、信頼できる業者に依頼することが重要です。業者選びの際に確認するべきポイントを紹介します。

  • 施工実績が豊富か:過去の施工実績が多い業者は信頼度が高いです。
  • 名古屋エリアの規制に詳しいか:地域特有の許認可手続きに対応できる業者が安心です。
  • アフターフォローが充実しているか:施工後のトラブルにも対応してくれるかを確認しましょう。

口コミサイトやSNSの活用

インターネットの口コミやSNSでの評判も参考にしましょう。名古屋エリアの顧客レビューを比較することで、信頼性の高い業者を見つけやすくなります。

まとめ

配管工事は専門知識が求められるだけでなく、地域特性への理解も重要です。名古屋の気候や地震リスクに対応した施工を行うことで、快適で安全な暮らしを実現できます。配管工事の計画から施工、メンテナンスまで、プロの視点とコツを押さえることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
名古屋で配管工事を依頼する際は、信頼できる業者を選び、施工後も定期点検を忘れずに行いましょう。地域に適した配管設計とプロの技術を活用することで、安心・安全な住環境を長く維持できます。

この記事が、名古屋での配管工事を検討されている方の参考になれば幸いです。適切な計画と施工で、住まいのインフラを長期間にわたって維持しましょう。

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